商業登記を行う意味は?【宇都宮市 登記相談】

会社を立ち上げたり、役員が変更になったりした際に必要となるのが、商業登記です。

この商業登記は、会社法や商法などの法律によって規定された手続きのため、手続きされていないことを理由に過料(罰金)が科せられる可能性もあります。

しかし、そもそも商業登記とはどういった目的のために行われるのでしょうか。

この部分を理解することができれば、商業登記をし忘れるといった事態を防ぐことができますし、

煩雑な手続きも少しは負担が軽く感じられる様になるでしょう。

ここでは、商業登記の目的・意味についてわかりやすくご説明いたします。

 

商業登記とは?

商業登記とは、商号(社名)や役員情報、資本金額など、会社にとって重要な情報を法務局で登録する手続きのことです。この手続きが踏まれていなければ、会社として認められないため、会社設立時には必ず登記申請を行います。

ここで注意すべき点は、会社の重要情報が変更になった場合にも登記を行わなければならないという点です。例えば、役員の任期が終わり、新たな人物が役員に就任したとなれば、変更登記手続きを踏まなければなりません。同様に、本社の所在地が変更になったという場合にも、変更登記が必要です。

このように、何か重要な変更があった場合には、「登記」という手続きが常に発生し、ここに商業登記の意味が存在します。

会社という組織は、様々な利害関係を構築します。取引企業や消費者、税務署や市町村役場、国家など、例を挙げればキリがありません。その利害関係者にとってすれば、どういった会社が存在し、その会社は信頼できるのかという点を知りたいと思うことは当然です。そうした際に役立つのが、商業登記で記載された情報になるのです。

実際、商業登記された情報は法務局によって管理され、申請があれば何時でも登記情報を閲覧することができます。手数料を納付すれば、他社の登記事項証明書を入手することもできるので、そこから新たな取引先の信頼性を確認することも可能です。

また、官公庁からすると、登記が滞りなく行われることで、自分たちが管理すべき企業数を的確に把握することができます。だからこそ、登記がなされなければ企業の実態も不透明なままで把握ができず、業務の停滞を招いてしまいます。そのため、商業登記には申請期限が設けられており、一定期間を経過すると過料等の罰則を受けてしまうことになります。

商業登記の手続きとは?

商業登記は、3つの方法で行うことができます。一つ目が実際に法務局に足を運んで行う方法、二つ目が書類をすべて郵送して行う方法、三つ目がインターネット上で行う方法です。

一つ目の法務局へ足を運んで行う方法では、法務局の職員に書類に不備がないかなどチェックしてもらうことができます。これは実際に法務局へ足を運ぶからこそ享受できるメリットです。ただし、法務局は手続き待ちの利用者で混雑していることが多く、なかなか相談も受け付けてもらえないという場合もあります。また、法務局の職員はあくまでも事務手続きの一環として登記申請のチェックを行うため、司法書士のように依頼者に寄り添ったアドバイスを提供してもらうことはあまり期待できません。

二つ目の郵送で手続きを済ませる方法では、法務局に足を運ぶ必要がない分、負担が軽くなるというメリットが存在します。ただし、郵送による申請では、会社設立日が「申請書類が法務局に届き、申請が受理された日」となりますので、ポストに投函した日とは異なりますし、配送状況によっても変わります。そのため、会社設立日を特定できない恐れがありますので、もし気になるようであれば郵送以外の方法で申請した方がよいでしょう。

三つ目のインターネット上で行う方法では、商業登記をすべてインターネットで行うことができます。とても楽な方法だと思われますが、実際は専用のソフトウェアを購入しなければなりませんし、マイナンバーの登録など煩雑な手続きを踏む必要があります。はじめてインターネットで登記を行うのであれば、アナログな方法で申請するよりもかえって多額の費用が発生する可能性があります。

上記3つの申請方法のいずれの場合でも、もし登記申請の内容に不備があれば、登記官から修正の指示がくるため、指示に従って所定の手続きを踏みます。しかし、修正箇所が多すぎる場合には、申請の取下げを行い、一から書類を作り直した方が手続きがスムーズに進む可能性もあります。修正も済み、2週間程度経過しましたら、晴れて登記完了となります。

おわりに

商業登記は事業を営む上で欠かすことのできない手続きです。しかし、手続きには時間や手間、費用が発生します。そして、一つでも記入漏れ等があれば逐一、修正しなければなりません。そうした煩雑な手続きから解放され、事業に専念したいとお考えの場合は、商業登記の専門家である司法書士の活用を検討されてみてはいかがでしょうか。円滑な手続により、皆様の事業活動をサポートいたします。