債権者保護手続きについて 【商業登記】

こんにちは。

上三川町の司法書士の市村です。

今回は、合併や会社分割などの組織再編行為や会社の資本金の減少を行う際の、債権者保護手続きのお話です。

 

債権者保護手続きの流れ

債権者保護手続きは、上記の行為を行う際に会社の対する債権者に対して、

異議を述べる機会を与えて債権者を保護する制度です。

 

合併を例とすると、債権者に対して、1.組織再編をする旨、2.合併の相手方となる会社の商号・本店、

3.計算書類に関する事項、4.異議があれば一定の期間内に異議を述べることができる旨を官報に公告し、

かつ知れている債権者に対して各別に催告を行う必要があります。

※ダブル広告 ⇒ 定款所定の公告方法が時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙、またはは電子公告である会社は、

官報とともに定款所定の公告方法による公告行うことにより、債権者への各別の催告を省略することができます。

 

ですので、定款の公告方法が官報の会社がダブル広告の方法を選択する場合には、

前もって公告方法の変更の登記が必要です。

債権者保護手続きは、起算日から合併等の効力発生日の遅くとも1か月以上前に広告等の手続きを開始するする必要があります。

つまり官報公告は掲載の日の翌日から起算し、債権者の対する各別の催告は到達の日の翌日から起算します。

 

異議を述べた債権者の有無

公告及び各別の催告をし、異議を述べた債権者がない場合には,申請書にその旨を記載するか,

代表者がその旨を証明した上申書を添付すれば足ります。

 

債権者から異議が出された場合は、

1.弁済を証する書面

2.相当の担保の提供を証する書面

3.当該債権者を害するおそれがないことを証する書面

を添付して、登記手続きを行う必要があります。

もし、効力発生日までに債権者保護手続きが終了しない恐れがある場合には、効力発生日の変更が必要です。

この変更は、取締役の過半数の一致、役会設置会社であれば取締役会の決議でできます。

ですので、債権者保護手続きが必要な案件では、債権者に事前に説明を行いその内容について同意を得ておくことが重要です。

 

このコラムをご覧いただきまして、ありがとうございました。

 

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